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読むのが苦手かもしれない 子どもとまずできることは何か?

更新日:2023年12月4日

書かれているものを見て「読める」というその状態は、一口に言っても様々な段階があります。


文字を見て、正しく発音ができる

単語を見て、その単語の意味が理解できる

文章を読んで、そこに書かれている内容を理解できる


どれもが、「読める」という状態を表しています。




子どもの発達を見守る過程で、きっと最初は「文字が読めるようになってほしい」という願いから出発すると思います。そしてある程度「文字が読める」ようになってくると、「文章を読んで、内容を理解してほしい」へと変化していくのではないでしょうか。


まず「文字」を読むために確認したいこと


読みのスキルは、「単音」⇒「単語」⇒「単文」の順番に習得がなされます。

つまり、「文章を読んで内容が理解できる」という段階に到達するためには、 一つひとつの「文字」が読めるという最初のステップを飛ばして先に進むことはできません。


では、まず文字を読むことができるようにするには、何をしたらよいのでしょうか。


最初は、文字に対する興味や関心を子ども自身が抱いているかどうかの確認です。


文字に興味をもつきっかけやタイミングは、子どもによって異なります。

特に、読むことに苦手さがあるお子さんの場合は、なかなか文字に興味が持てないこともあります。絵本を開いていても、絵を見ているだけだったり、文字が書かれていても、それに注目するような様子があまりみられなかったり。


しかし、お友だちが手紙をくれたことがきっかけで「文字」に興味を持ち始めたり、大好きなアニメの原作マンガが読みたくて「文字」に興味を持ち始めたり、小学校に入学することを自覚したとたんに「文字」に興味を持ち始めたりと、いろいろなケースを見聞きします。



文字への興味や関心が感じられない時は?


それでも、文字への興味や関心が感じられない時は、どうしたら良いのでしょうか。

大人としては、すぐにでも「文字」とつなげたいところですが、まずは「ことば」に触れる機会を意識して設けてあげられるとよいと思います。


自分が知っている「ことば」と、それを表す「文字」が結びつくことで「文字が読める」ようになっていくことがあります。そのことを考えると、聞いてわかることばを増やしておいてあげたいなと思うのです。


日頃、自分が話している「ことば」が、実は「文字」で表すことができると気づいた途端に「文字」に興味を持ち始めたというケースが実際にあります。


ある講師が、子どもが話している「ことば」を「文字」にして書いて見せたところ、子どもは驚いた表情をして、「これは、どう書くの?」と言って「ことば」を次々と口にしたそうです。これまで興味を持てなかった「文字」に、興味を示した瞬間です。その後、その講師は、子どもが自ら発した「ことば」を「文字」にするという活動を続けていきました。しばらくして、そのお子さんが、講師に宛てて、お手紙を書いてくれたそうです。





聞いてわかることばは、大好きなアニメのキャラクターでもいいし、大好きな鉄道の駅名でもかまいません。子どもが大好きな絵本を読み聞かせすることも、ことばに触れることになります。


知っている「ことば」から楽しく徐々に


そして、いよいよ文字に触れるというときには、一つだけ気を付けたいことがあります。それは、「文字」に触れる場面が「苦痛」にならないようにすることです。「文字」を読む場面が「苦しい」と「苦手意識」につながり、ますます「文字」から遠のいてしまいます。

それでは、本末転倒です。


「苦しくても、読ませなければ、読めるようにならないじゃないか」と思う方もいらっしゃると思います。その通りです。「文字が読める」ようになるためには、「文字を読む」ことが必要です。


ただ、読めない文字ばかりを読まされて、叱られてばかりいたらどうでしょう。

想像してみてください。読み方も知らない、意味もわからない外国語の単語50個を、正しく読むようにと言われて、少しでも読み間違えたら叱られてしまうとしたら。。。

大人の私たちでさえ、それを読み続けることは難しいのではないでしょうか。


「読み」を覚えていく段階において、「ことば」を知っていることで、楽しみながら「読める」に近づいていくことができます。

「か」の文字を「かめ」と結び付けて、「かめの『か』」と覚えていくことができるかもしれないからです。



「読める」は1ステップずつ


「読める」には、様々な段階があると、最初に書きました。

実は、文字が読めるようになったからと言って、自動的に文章が読めるようになるわけではありません。文字を必死に読んでいる段階では、読んでいる内容を覚えておいたり、読みながら意味を考えたりすることができないからです。


学校のテストで問題を読まずに答えを書いて間違えてしまう

これは、まだ「文字を読む」ところに負担感があるお子さんによく見られる姿です。テストなので、早く問題を解かないと時間切れになってしまう。だから、負荷のかかる「読み」を省いて、問題に取り掛かってしまうのです。


「文字の読み」が自動化されることで、頭に余裕ができます。いちいち、読み方を思い出す必要がないので、読みながら意味を考えたり、読んだ内容を覚えておいて問題に答えたりすることができるのです。


読めるようになってほしいと願うとき、まずは、目の前のお子さんを観察してみてください。必ず、そこに「いま、何をしてあげたら良いのか」のヒントが隠れています。


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「ひらがな読み書き教室」では、保護者の方の個別相談を受付けています。お子さんの学習の様子や、読む・書くといったことの習得に関して不安を感じている方は、まずはぜひご相談ください。



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