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苦手な「文章」を読むには?きっかけは子どもの好きなもの

ひらがな読み書き教室に通っている小学4年生のK君は、身近な誰かが困っているとすぐに助けに行く、優しい元気な男の子です。


読み書きに苦手さがあり学習障害(知的発達に大きな遅れはないが読み書きや計算などに困難さが生じる発達障害の一つ)と診断されたK君。初めて教室に参加した3年生の頃は、見た文字を一文字ずつ頑張って思い出すように読む様子がありました。





K君のひらがな習得段階に合わせた学習を講師と一対一で続けていくと、単音(「あ」「う」など1音の文字)や単語はかなりスムーズに読めるものが増えていきました。お家でも保護者の方と頑張って練習をしたそうで、その成果は教室でもよく表れていました。


こうして授業に積極的に取り組み、お家での練習もこなしていたK君でしたが、楽しく取り組むことに難しい様子がみられたのが、「単語の読み」からステップアップし「文章を読む」練習を始めた頃でした。


読むことが苦手なお子さんは、文字や単語と比べ、文章になるとより一層の困難さや負担を感じることもあるため、学校で求められる音読などに強い抵抗感を持っているケースがあります。


そこで、少しでも楽しく取り組むことはできないかと、K君との授業の教材を「ポケモンずかん」に変えてみました。「ポケモンずかん」には各ポケモンの特徴がひらがな中心の2〜3文で書かれていて、挿絵入り。





ポケモン大好き!なK君は、ずかんを目にすると「やるやる!」と飛びつくように興味を示してくれました。授業では、K君が決めた3つのポケモンの説明を読み、そのあとお家でも練習をしてもらうようにしています。


次の授業で練習の成果を披露してもらうと、びっくりするほどスラスラ読めるようになっていました。保護者の方によると、お家でも積極的に練習しているとのこと。毎回、次は何のポケモンにするかをすでに決めていて、「ポケモンずかんを読む」という取り組みを楽しみにしている様子が伺えます。


「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、子どもたちの「これ大好き!」が持つ力は計り知れません。それはときに「読みたい」気持ちを引き出す”スイッチ“にもなるようです。


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